なんでも「捨てられない」症候群:4

大事にしていた新聞キリヌキ

東京新聞1960年初頭のキリヌキ。鈴木道子による20回連載。『音楽ゼミナール ジャズは流れる』。当時僕は中3くらい。時折耳にするラジオの影響で洋楽に興味シンシンだった。経済力もなく情報もきわめて少なかった。で、身近なところからってことで、当時家で購読していた「東京新聞」にコレが掲載され、飛びついたというワケ。

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何もかもが新鮮で「こんなのが欲しかったんだ」と熱読した。学業でこんなにも傍線を引いて繰り返し読み、暗記したらさぞかし…という風にことは進まない。

まずはミュージシャンの名前から

20回の連載は全部ある。写真の記事のカーメン・キャバレロローレンス・ウェルクから始まりフォスター、ハンディー、ルイ・アームストロング等々と続き、記事中には曲名、『スウィング・ジャーナル』などの資料、が続々と出てくる。「砂漠が水を吸い込むように」とにかく丸暗記していったと思ってください。

ところが実際の音楽が聴けない。コレには参りました。オヤジはクラシックのレコードしか持っていないし、そもそも自分でレコードなんてとても買えない。(どんなのが当時お店にあったのかもわからない)欲求不満は募るばかり。そこでラジオの登場なんであります。当時近所の大抵の家には、貧しくてもラジオだけはあった(ような気がする)。

記憶を掘り起こすのに、当時のラジオ番が入手できたらと思い、ちょっと探した。結果はNO。スルーして先へ進めることにする。きわめて雑だが油井正一ロミ山田大橋巨泉、牟田貞三らの語りと紹介で曲が流れた(名前、局、番組等々は思い出した順番)。なんと、聴いた曲名とミュージシャン名をメモして行ったのだから、我がことながら恐れ入る。

コンポでFMを聴きながら、好みの曲をエアチェックできるようになるまで、あと10年以上の年月が必要だった。

この先は次の機会に。